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電気自動車(EV)の新型高級セダン「ES90」を発表するボルボ・カーズのローワン最高経営責任者(CEO)=2025年3月5日、ストックホルム、寺西和男撮影

 欧州の自動車業界に逆風が強まっている。米トランプ政権が欧州連合(EU)からの輸入品に高関税を課す方針を打ち出しているのに加え、電気自動車(EV)販売も低迷する。スウェーデンのボルボ・カーズの首脳は5日、米国の関税政策次第で、米国での増産を視野に生産体制を見直していく考えを明らかにした。

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 ボルボのジム・ローワン最高経営責任者(CEO)は5日の新車発表会の会場で、朝日新聞などの取材に対し、米国によるEU関税などについて「非常に懸念している」と述べた。米国で昨年販売した12万5千台のうち、9割の11万台をスウェーデンなど欧州から輸出した。

 EU域内製の輸入車に対する米国の関税は現在2.5%。大幅に引き上げられれば価格が上がり、販売にも影響する。ローワン氏は「米国が(EUが米国製の輸入車にかけている)10%の関税にするなら対応は可能だ。それを大きく超えると生産について考える必要が出てくる」とし、米南東部サウスカロライナ州の工場で増産を検討する考えを示した。

迫られる生産体制の見直し、米国で増産も

 トランプ氏は2月下旬、EU…

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